「提婆(だいば)が悪も観音の慈悲」
提婆は提婆達多(だいばだった)という釈迦の従弟。弟子でもあったが、のちには教えに背き、釈迦を殺そうとした大悪人といわれる。

観音菩薩は慈悲深いことの代名詞だが、極悪の提婆達多とは正反対のようでいて、本当は似たようなものであるということわざ。

欠点があるからこそ、仏の道に近づこうとするきっかけを得て、悪人でもついには成仏できる、観音菩薩の慈悲をもてるようになるという意味。迷いがあるからさとりがあるという「煩悩あれば菩提あり」も同じ意味。