上:ジャパンストーンフェア
   インターナショナル99より

1.お墓の形態の変化

 昔からお墓と言えば、形では「五輪塔」・「和型基本形」等、意味合いでは「故人(先祖)を偲ぶ」というイメージが定着していますが、最近ではお墓の形態がだいぶ変わってきているようです。

 形では「洋型」・「オリジナルデザイン」等、意味合いでは「個人の死後の住まい」または「個人の生きた証」として建立される方が増加の一途をたどっています。

 この変化は、やはり時代が家族単位から個人単位(個人主義)へ移行している現われだと思います。墓地が明るいイメージになるのは良いことですが、なんでもかんでも新しいものがいいかと言うとそうとも限らないのです。

 お墓の世界というのは宗教観が関係してきますし、お墓を建てる上で何よりも大切なことは、「残された家族が故人を思う」気持ちなのです。

 

2.家族の崩壊

 世の中では、親子の殺人や、幼児・子供への虐待、無差別または動機なき犯罪等が毎日のように報道されています。

 また、学校では不登校、先生への暴力、学級崩壊等、大人の世界でも業務上横領、贈収賄、警察・政治家の不祥事等々、昔起こらなかったことがなぜ今頻発しているのでしょうか。

 それは「家族の崩壊」が最大の原因でしょう。

  マスコミでは、その責任を犯罪者が所属する組織へ追及しがちですが、それは大きな間違いだと思います。「家族」という小さな社会での上下関係、信頼関係等が崩している環境で育った人間が、実社会で正常に生きていけるはずがありません。

 ”自分さえ良ければいい”という考え方の人間が社会を形成してしまっているのです。前述の「個人主義」を通り越して「利己主義」な人間の集まりが現代の家族であり社会でもあるのです。

 

3.なぜ、崩壊したのか?

 あるレストランで、中年女性4、5人が食事をしながら雑談していました。隣のテーブルで話を聞いていると、そのうちのひとりが「私なんか、生まれてこのかた一度として親に面倒見てもらったことはない。」と熱弁をふるっていました。

 または「あんなに子供に尽くしてあげたのに、非行に走ってしまった。」という親の嘆きも聞いたことがあります。これらは共通する何かを見失っているのです。

  それは、自分を育ててくれた親(さらに祖父母)に対する感謝の気持ちです。自分が今生きていられるのは誰のお陰かということを考えたら、真っ先に「親」が出てこなくてはおかしいのです。

 

4.感謝の気持ちが先祖の供養

 自分の親に感謝しない親を見て育つ子供が、自分の親に感謝するわけがありません。今こそ、ひとりひとりが生かされていることを親に感謝し、子供たちにその手本を示さなければならないのではないでしょうか。

 親に感謝すると同時に、その親(祖父母)そのまた親という具合に先祖はつながっています。その先祖に手を合わせる気持ちが大切であり、それこそが「お墓を建てる」ということの本当の意味ではないかと考えるのです。

 

5.ニューデザインへの提言

 最近のお墓事情としては、新しいデザインばかりが取りざたされていますが、「温故知新」という言葉のとおり古きを理解し、尊重した上で新しきを取り入れることも非常に大切だと思います。

 ニューデザインが悪いというわけでは決してありません。「お墓を建てる」ということは、日本が古くから培ってきた文化や宗教観、そして伝統などに深く関わっているということをきちんと理解し、石材店ときちんと相談した上で、どの墓石が良いか判断すれば良いと思います。



 

下:実際に建立された例

・・・新しいデザインのお墓の本も出版されるようになってきました。
↑左:「永遠のすみかづくり」「21世紀の墓づくりに挑戦」等の企画が載ったお墓の本
↑中:CG(コンピューターグラフィックス)を利用したお墓のデザイン集。
「NEW! DESIGN 墓石」よりCGでデザインされたお墓の例:右↑

 あなたがお墓をご購入される際のご参考にしていただければ幸いです。

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