「お彼岸」とは春と秋にそれぞれ春分の日と秋分の日を中日として前後3日間の計7日間にわたって行われます。
正式には「彼岸会(ひがんえ)」といい、「彼岸」とは古いインドの言葉で「パーラミター(波羅蜜多)」を漢訳した「到彼岸」からきています。”迷いの世界”であるこの世「此岸(しがん)」から、”悟りの世界”であるあの世「彼岸」に至る、つまり、彼岸会とは悟りを開くために仏道に精進するという行事なのです。
ですからお彼岸には先祖をしのび、自分の今あることを先祖に感謝して供養し、自らも彼岸にわたることができるようにと精進するものとされています。
彼岸の入りには仏壇をきれいにし、花や果物、故人の好物などをお供えします。また彼岸だんごやおはぎ、五目ずしなどを仏壇や墓に供えたりもします。彼岸の中日には家族そろって墓参りに行きたいものです。
お彼岸の供え物には、おはぎとぼたもちがつき物ですが、いったいどう違うのでしょう?つぶし餡かこし餡かの違いだとか、もち米とご飯の混ぜる割合の違いだとか、単なる呼び方の違いだとか…いろいろな説があるようです。
ところが実際には同じ物で、”ぼたもち”はもともと「牡丹(ぼたん)もち」、”おはぎ”は「萩のもち」であったといわれます。
今では一年中売られていることもあって、混同されてしまいましたが、本来は、牡丹の季節である春のお彼岸に供えるのがぼたもちで、萩の季節である秋のお彼岸に供えるのがおはぎ、というわけです。
昔は砂糖も米もとっても貴重なものだったので、それを先祖に供えて供養し、多くの人に分け与えるということは、功徳を積むことでもあったのです。
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